認知機能検査は、紙の検査用紙に記入する方法だけでなく、検査用ソフトウェアが入ったタブレットへタッチペンで入力する方法でも行われます。普段スマートフォンを使わない方でも、画面の説明や音声ガイダンスに沿って進める仕組みです。
不安になりやすいのは、「押す場所を間違えたら結果に影響するのか」「文字入力ができるか」「音声が聞こえなかったらどうするのか」という操作面です。認知機能検査で確認されるのは、スマートフォンの操作技術ではありません。説明が聞こえない、画面が見えにくい、操作方法が分からないときは、勝手に進めず検査員へ伝えることが大切です。
この記事では、タブレット方式の基本、当日の進み方、眼鏡・補聴器・手の動かしにくさがある場合の準備、家族が前日までに手伝えることを整理します。
本記事とサイト内の体験コンテンツは、警察庁や都道府県警察が実施する公式検査ではありません。免許更新の合否、認知症の診断、運転可否を判定するものでもありません。実際の検査方法は、通知書、検査会場、都道府県警察の説明を優先してください。
タブレット方式の要点
音声を聞く → タッチペンで入力 → 分からなければ手を挙げる
スマートフォンの操作技術を競う検査ではありません。見えにくい、聞こえにくい、押す場所が分からないときは、推測して進めず検査員へ伝えます。
説明を聞く
- 画面と音声の案内を最後まで確認
- 眼鏡・補聴器は開始前に調整
ペンで答える
- 用意されたタッチペンを使用
- 表示された場所へ落ち着いて入力
迷ったら伝える
- 勝手に前へ進めず手を挙げる
- 聞こえ方や操作方法を確認
画面構成や訂正方法は会場・機器で異なる場合があります。ここで示すのは操作の心構えであり、公式画面の再現ではありません。確認日:2026年8月9日。参照:警察庁「認知機能検査について」。
先に結論:タッチペンで画面の案内に沿って回答する
警察庁は、認知機能検査について、「手がかり再生」と「時間の見当識」の二つの検査項目を、検査用紙への記入、または検査用ソフトウェアを搭載したタブレットへタッチペンで入力して行うと説明しています。
| 不安 | 当日の考え方 |
|---|---|
| タブレットを使ったことがない | スマートフォンの知識を競う検査ではない。説明を聞いて一つずつ進める |
| どこを押すか分からない | 自分で推測して続けず、手を挙げて検査員へ確認する |
| 画面が見えにくい | 普段使う眼鏡を持参し、受付時に伝える |
| 音声が聞こえにくい | 補聴器を持参し、検査開始前に聞こえ方を伝える |
| 手が震える・ペンを持ちにくい | 予約先へ事前相談し、当日も検査員へ伝える |
| 紙で受けたい | 実施方法は会場によるため、予約時に相談する |
最も避けたいのは、家族が本人へ「タブレットも使えないなら免許更新は無理」と言うことです。機器操作の慣れと、記憶力・判断力の確認は同じではありません。
認知機能検査で行う二つのこと
手がかり再生
一定のイラストを記憶し、採点に関係しない課題を挟んだ後、覚えているイラストをヒントなしで答え、さらにヒントを基に答えます。タブレット方式になっても、確認する検査項目そのものが別のものになるわけではありません。
時間の見当識
検査を受けている年月日、曜日、時間を答えます。普段から日付を暗記させるのではなく、当日落ち着いて説明を聞ける状態を整えることが大切です。
以前の制度にあった時計描画は、現在の認知機能検査の項目から廃止されています。古いブログや体験談に時計を描く練習が出てきても、現在の警察庁の案内を確認してください。
タブレット方式の当日の流れ
会場ごとに受付や画面構成は異なる可能性がありますが、準備としては次の順番を想定しておくと落ち着きやすくなります。
1. 受付で持ち物と本人確認
通知書、運転免許証、必要な手数料、眼鏡や補聴器などを確認します。マイナ免許証を持っている場合や二枚持ちの場合は、通知書と会場の案内に従ってください。
2. 座席と機器の確認
タブレットとタッチペンが用意されます。画面までの距離、椅子の位置、利き手でペンを持てるかを確認します。遠慮して無理な姿勢のまま始めないことが大切です。
3. 注意事項と操作説明
警察庁の進行要領では、タブレットによる検査の音声ガイダンスは進行要領に準拠し、画面遷移に合わせた説明に変更できるとされています。画面の説明を読み終えたことを知らせる場面や、質問がある場合に手を挙げる案内があります。
4. 手がかり再生
イラストを見て覚え、別の課題の後に回答します。「前の画面へ戻れるだろう」と考えず、その場の案内どおりに進めます。
5. 時間の見当識
年月日、曜日、時間を回答します。検査開始前に時計や携帯電話を机の上へ置かないよう案内される場合があります。
6. 終了と結果の案内
検査終了後、結果が書面で通知されます。会場で渡されるのか、後日になるのかなど、受け取り方法を確認してください。結果通知書は更新手続で必要になるため、紛失しないよう保管します。
タッチペンで迷いやすい場面
画面を強く押しすぎる
タッチペンは鉛筆のように強い筆圧を必要としない機器が一般的です。ただし、実際の機器の反応は会場で確認します。反応しないと感じたら何度も叩かず、検査員へ伝えます。
指示を読む前に押してしまう
不安が強いと「早く終わらせたい」と先へ進みたくなります。説明が表示されたら、最後まで読んでから操作します。家で練習するときも、速さより「読む、確認する、押す」の順番を身につけます。
選択した回答が分からなくなる
画面上で選択状態がどう表示されるかは、実際の機器の案内に従います。選び直しが可能かを自己判断せず、操作説明をよく聞きます。
音声と画面を同時に追えない
音声を聞きながら文字を読むことが負担になる方もいます。聞こえ方に不安がある場合は、検査開始前に申し出ます。補聴器を普段使っているなら、電池や充電も確認してください。
前日までに準備するもの
| 準備 | 確認すること |
|---|---|
| 通知書 | 日時、会場、受付時刻、持ち物 |
| 免許証等 | 運転免許証、マイナ免許証の扱い |
| 眼鏡 | 遠近どちらを普段使うか、汚れていないか |
| 補聴器 | 電池・充電、予備電池 |
| 服薬 | 検査時間と服薬・食事時間が重ならないか |
| 交通手段 | 本人が緊張した状態で長距離運転しなくて済むか |
| 連絡先 | 会場の電話番号、予約番号 |
タブレット操作が心配でも、新しい高価な機器を購入する必要はありません。家にタブレットがあるなら、タッチペンで大きなボタンを押す、説明文を最後まで読むといった操作感を確認する程度で十分です。
家でできる操作準備
大きな画面で「読む・押す」を試す
家族のタブレットやスマートフォンで、文字サイズを大きくし、画面上のボタンを一つずつ押してみます。正解数を競うのではなく、タッチペンを画面へまっすぐ当てる、反応を待つ、説明を読み終えてから進む練習です。
本番と同じ画面だと思い込まない
市販アプリ、動画、当サイトの体験画面は、本番の検査画面そのものではありません。家で操作できたから本番も同じ、家でできなかったから本番も無理、という結論にはしません。
イラストの丸暗記を目的にしない
警察庁は検査用紙、イラスト、採点方法を公開していますが、認知機能検査は記憶力や判断力の状況を確認するものです。絵の名前を大量に丸暗記して本人を追い込むより、睡眠、眼鏡、補聴器、移動、体調を整えることを優先します。
見えにくい・聞こえにくい・手が動かしにくい場合
本人が操作で困りそうな理由を、家族だけで判断しないでください。予約時に会場へ次のように相談します。
- 普段から補聴器を使用しているが、音声案内を聞き取れるか不安です。
- 手の震えがあり、タッチペンを細かく動かしにくいです。
- 画面の文字が見えにくいので、眼鏡を持参します。事前に伝えることはありますか。
- タブレット操作の経験がありません。開始前に操作説明はありますか。
- 紙方式を希望できますか。実施方法は選べますか。
会場の設備や対応方法は一律ではありません。必要な配慮がある場合は、当日受付で初めて伝えるより、予約時に相談する方が調整しやすくなります。
家族がやってはいけない練習
失敗するたびに能力を評価する
「また押し間違えた」「昨日も説明した」と責めると、本人は操作より家族の反応を気にするようになります。練習を続けるなら、操作を一つ終えたところで区切ります。
得点を免許更新の予測に使う
家庭の練習結果から、本番の判定や免許更新の可否を予測することはできません。当サイトの体験コンテンツも合否予測には使えません。
スマートフォンを使えないことと認知症を結びつける
機器への慣れ、視力、聴力、手の動かしやすさなど、操作には複数の要因があります。家族が医療判断をせず、日常生活や運転に具体的な変化がある場合は、かかりつけ医や安全運転相談窓口へ相談します。
本人への声かけ例
避けたい言葉は、「今どきタブレットくらい使えないと困るよ」です。本人の不安を強め、検査を隠したくなる可能性があります。
代わりに、次のように伝えます。
- 「スマホの試験ではないみたい。分からなければ係の人に聞いていいんだって」
- 「眼鏡と補聴器を忘れないように、一緒に袋へ入れよう」
- 「画面が見づらいことは、始まる前に伝えておこう」
- 「家では操作の雰囲気だけ見て、本番の説明をよく聞けば大丈夫」
家族の役割は答えを教えることではなく、本人が落ち着いて説明を受けられる環境を整えることです。
結果が出た後に確認すること
認知機能検査の結果は、「認知症のおそれあり」または「認知症のおそれなし」の区分で通知されます。「認知症のおそれあり」は医師による認知症の診断そのものではありません。該当した場合は、警察からの連絡に従い、臨時適性検査または診断書提出へ進みます。
結果通知書の見方と次の手続は、認知機能検査の結果は当日?結果通知書の見方で整理しています。家族だけで結果を解釈して、直ちに運転可否を決めないようにしてください。
無料体験で確認できること・できないこと
認知機能検査の体験コンテンツでは、画面上の説明を読みながら進む雰囲気を確認できます。氏名、免許証番号、生年月日などを入力する必要はありません。
この体験は公式検査ではなく、本番画面の完全な再現、得点予測、認知症診断、運転可否判定、免許更新の合否判定はできません。操作への緊張を減らし、公式案内を読むための準備として利用してください。
当日に操作で止まったときの考え方
タブレットに慣れていない本人が最も不安に感じやすいのは、「一度押し間違えたら終わりではないか」という点です。しかし、家族が事前に画面の進み方を想像して答えを教えることはできません。会場では、まず担当者の操作説明を最後まで聞き、機器の扱いが分からないときは検査が始まる前に質問するのが基本です。
次のような困りごとは、受付または説明時に本人から伝えます。
- タッチペンを持つ手が震える、長く持てない
- 画面の文字が眼鏡を使っても見えにくい
- 補聴器を使っても音声案内を聞き取りにくい
- 指示の切り替わりに気付けないことがある
- 紙での受検を希望している
- 日本語の説明を理解するうえで事前確認が必要
どの方法で受検できるか、どのような対応が可能かは会場の設備と運用によります。家族が「高齢者だから紙にしてもらえるはず」「タブレットが苦手なら減点される」と決めつけず、予約時に会場へ確認してください。
家族が当日持つサポートメモ
付き添う家族は答えを手伝うのではなく、検査の前後に必要な情報を管理します。通知書、予約日時、会場の連絡先、眼鏡・補聴器、服薬の時刻、帰宅手段を一枚にまとめておくと、本人が検査に集中しやすくなります。
検査後は、結果の数字だけを問い詰めず、受け取った書類の名称、次の予約、提出期限、問い合わせ先を確認します。結果が気になっても、その場で家族独自の診断や運転可否の結論を出さないことが大切です。制度上の手続は公安委員会の案内に従い、日常生活で気になる変化がある場合は、運転の記録を持って医療機関や安全運転相談窓口へ相談します。
一週間前から当日までの準備例
一週間前
予約日時、会場、受付開始時刻、持ち物を通知書と公式案内で確認します。紙とタブレットのどちらで実施されるか気になる場合、本人の希望だけで決められるとは限らないため、予約先へ確認します。眼鏡や補聴器を使っているなら、壊れたまま当日を迎えないよう動作を確かめます。
家では、タブレットの問題内容を覚える練習ではなく、タッチペンや太めのペンを持ち、表示を読んで一つ選ぶ操作に慣れる程度にします。操作に失敗しても家族が採点せず、「分からないときは説明の前に担当者へ伝えよう」と確認します。
前日
睡眠、飲酒、服薬を本人の通常の生活から大きく変えないことが基本です。薬を勝手に中止すると体調を崩すおそれがあるため、医師や薬剤師の指示なしに調整しません。通知書、免許証、眼鏡、補聴器、予約票、会場までの経路を一つの袋にまとめます。
付き添い家族は、会場内のどこまで同伴できるか、終了後にどこで待ち合わせるかを本人へ伝えます。「間違えないで」「合格してきて」と圧をかけるより、「操作で困ったら始まる前に聞けばよい」と声をかける方が落ち着きやすくなります。
当日
受付に間に合うよう余裕を持って出発しますが、早すぎる到着で本人が疲れないよう待機場所も考えます。体調不良、強い眠気、眼鏡や補聴器の不具合がある場合は隠さず担当者へ伝えます。家族は検査中に答えを示したり、画面をのぞいて反応したりせず、案内された場所で待ちます。
終了後は、本人の出来不出来を車内ですぐ評価しません。まず水分と休息を取り、書類の有無と次の予定だけを確認します。自宅へ戻ってから、結果通知書を本人と読み、必要な手続をカレンダーへ記入します。
予約先から事前案内が届いている場合は、タブレット方式の説明、受付場所、開始時刻の変更がないかも前日に読み直してください。家族の経験談より、今回受ける会場の案内を優先します。
よくある質問
タブレットを使えないと不合格になりますか?
認知機能検査はスマートフォン操作の技能試験ではありません。分からない操作や見え方・聞こえ方の問題は、開始前または案内に従って検査員へ伝えてください。
紙とタブレットを選べますか?
実施方法は会場によって異なります。本人が紙方式を希望する場合や、タッチペン操作が難しい事情がある場合は、予約時に検査会場へ相談してください。
家族が横で操作を手伝えますか?
検査は本人が受けます。家族の同席や待機場所を含め、会場の指示に従ってください。家族は前日までの持ち物や送迎を支援します。
タブレットでは結果がすぐ出ますか?
採点が電子化されていても、結果の交付方法は会場の案内に従います。結果通知書をいつ、どこで受け取るかを終了時に確認してください。
スマートフォンの練習アプリを使えば合格できますか?
家庭のアプリで本番結果を保証することはできません。操作の雰囲気確認には使えますが、丸暗記や合否予測を目的にしないでください。
まとめ
タブレット方式の認知機能検査は、画面と音声の案内に沿い、タッチペンで回答します。スマートフォン操作の上手さを競う試験ではありません。見えにくい、聞こえにくい、ペンを持ちにくい、説明が分からないときは、自己判断で進めず検査員へ伝えます。
家族は、眼鏡、補聴器、服薬、移動、通知書を整え、「できるか試す」のではなく「落ち着いて説明を聞ける準備」を支えてください。
参考情報
最終確認日:2026年7月17日 執筆・編集:親の運転相談室編集部

