夕方、実家から電話がかかってきます。
「高齢者講習の予約、全然取れないんだよ」
親の声は少し苛立っていて、こちらも一瞬で焦ります。免許の更新期限はいつだったか。予約が取れないまま期限を過ぎたらどうなるのか。75歳以上なら認知機能検査もあるはず。一定の違反歴があるなら運転技能検査も必要かもしれない。
本人は「もう面倒だからいい」と言い始める。家族は慌てて検索します。
「高齢者講習 予約取れない」
「免許更新 高齢者講習 間に合わない」
「認知機能検査 予約 空きがない」
この場面で最初に必要なのは、本人を責めることでも、すぐに返納の話へ飛ぶことでもありません。まず、更新期限、対象になる講習・検査、予約できる会場、問い合わせ先を分けて確認することです。
警察庁は、更新期間が満了する日に70歳以上の方は高齢者講習を受けていないと更新できないと説明しています。75歳以上では認知機能検査も関係し、一定の違反歴がある場合は運転技能検査が必要になる場合があります。
また、都道府県警察の案内では、高齢者講習等は事前予約が必要で、電話予約やオンライン予約を案内している地域があります。地域によって会場、予約方法、空き状況、問い合わせ先は異なるため、本人の住所地を管轄する都道府県警察の公式情報を確認してください。
この記事では、高齢者講習の予約が取れないときに、家族がどの順番で動けばよいかを整理します。
本記事は一般的な情報整理を目的としています。警察庁や都道府県警察が実施する公式講習ではなく、免許更新の結果、認知症の診断、運転可否を判定するものではありません。実際の予約、受付時間、手数料、必要書類は、届いた通知書と都道府県警察の公式情報をご確認ください。
まず結論:予約が取れないときは「期限・対象・会場」を分けて確認する
高齢者講習の予約が取れないとき、家族が最初に確認するのは次の3つです。
| 確認すること | 見る理由 |
|---|---|
| 免許証の有効期間 | 更新期限までの残り時間を把握するため |
| 70歳以上か、75歳以上か | 高齢者講習だけか、認知機能検査も必要かを分けるため |
| 予約できる会場 | 運転免許センター、教習所、警察施設など選択肢を広げるため |
ここで、いきなり「どこでもいいから予約して」と本人に言うと、本人は疲れてしまいます。まずは家族が紙に書き出すくらいがちょうどよいです。
期限がいつまでか。
高齢者講習だけでよいのか、認知機能検査も必要なのか。
予約できる場所が他にもあるのか。
この3つを一緒に確認しよう。
警察庁は、一般の更新期間を、免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の前後1か月と説明しています。期限が近い場合は、予約サイトを眺め続けるだけでなく、運転免許センターや都道府県警察の案内に従って確認します。
関連記事: 75歳以上の運転免許更新ガイド
70歳以上・75歳以上で必要な予約が変わる
高齢者講習の予約が取れないとき、まず年齢で分けます。
神奈川県警は、免許の有効期間満了日に70歳以上の方は、免許更新手続きの前に高齢者講習等の受講等を済ませておく必要があると案内しています。また、70歳から74歳は高齢者講習、75歳以上は認知機能検査と高齢者講習の予約が必要で、一定の違反行為がある場合は運転技能検査の予約も必要と説明しています。
整理すると、家族が見るべき分岐はこうです。
| 更新期間満了日の年齢 | 主に確認する予約 |
|---|---|
| 70歳から74歳 | 高齢者講習 |
| 75歳以上 | 認知機能検査、高齢者講習 |
| 75歳以上で一定の違反歴がある場合 | 運転技能検査、認知機能検査、高齢者講習 |
本人に説明するなら、次のくらいで十分です。
年齢によって予約するものが違うみたい。
まず通知書に、高齢者講習だけなのか、認知機能検査もあるのか書いてあるか見よう。
ここで「認知症の検査だから大変だ」と言うと、本人の不安が強くなります。制度上の確認と、病気の決めつけを分けることが大切です。
関連記事: 70歳から74歳と75歳以上の違い
予約が取れないときに見る書類
電話で親から「予約が取れない」と聞いたら、まず書類の写真を送ってもらいます。
確認する書類:
- 免許証
- 免許更新通知、更新連絡書
- 高齢者講習等のお知らせはがき
- 認知機能検査のお知らせ
- 運転技能検査対象の案内
- すでに受けた検査や講習の証明書
- 予約サイトや教習所からの案内
神奈川県警は、受検・受講期間が近づくとお知らせはがきが届くので、よく確認するよう案内しています。また、お知らせはがきの再交付はできないと説明しています。したがって、家族が「どこかにあるはず」と探すだけでなく、写真で保存しておくと安心です。
書類の写真を見ながら、次の項目をメモします。
- 免許証の有効期間
- 講習や検査の対象
- 予約開始時期
- 予約方法
- 予約先電話番号
- オンライン予約URL
- 会場候補
- 当日持ち物
- 問い合わせ先
個人情報が入るため、写真の扱いには注意してください。
関連記事: 免許更新通知が届かない場合
WEB予約と電話予約を分けて試す
予約が取れないときは、同じ方法だけを繰り返さないことが大切です。
警視庁は、75歳以上の認知機能検査について、WEB予約は24時間受け付け、電話予約は平日午前9時30分から午後5時までと案内しています。また、休日明けと平日午前中は電話回線が混雑し、24時間受付可能なWEB予約を勧めています。本人以外の方が代わってWEB予約することも可能と説明しています。
これは東京都の例ですが、家族が考えるヒントになります。地域ごとに仕組みは違うため、本人の住所地の都道府県警察サイトで確認してください。
家族が試す順番:
- 公式の予約ページを確認する
- WEB予約がある地域なら、時間帯を変えて確認する
- 電話予約だけなら、混雑しやすい時間帯を避ける
- 予約できる会場一覧や予約状況一覧があれば見る
- 教習所に直接問い合わせる場合は、公式案内に従う
- それでも取れない場合は、運転免許センターや専用ダイヤルへ相談する
「電話がつながらないから終わり」ではありません。WEB、電話、会場一覧、予約状況、問い合わせ先を分けて見ます。
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会場を広げて探す
高齢者講習は、地域によって運転免許センター、自動車教習所、警察施設などで実施されます。
神奈川県警は、高齢者講習等について、運転免許センターや自動車教習所等で受検・受講できるが、事前予約が必要と案内しています。高齢者講習については、検査場所として運転免許センターまたは県内自動車教習所等を示し、予約方法は電話予約またはオンライン予約としています。
警視庁も、高齢者講習等や運転技能検査等は教習所に予約して受講・受検し、実施している教習所は実施場所・予約状況一覧で確認できると案内しています。
家族が確認する会場候補:
- 近くの教習所
- 少し離れた教習所
- 運転免許センター
- 都道府県警察が案内する実施場所一覧
- 予約状況一覧がある地域では空きのある会場
ここで大事なのは、本人が行ける距離かどうかです。空きがあるからといって、片道2時間かかる場所を勝手に予約すると、当日行けなくなることがあります。
本人にはこう聞きます。
近いところがいっぱいなら、少し離れた会場も見てみるね。
ただ、当日行ける距離かどうかは一緒に決めよう。
関連記事: 高齢者講習では何をする?
更新期限までの余裕を計算する
予約が取れないとき、家族が一番見落としやすいのが「更新期限までの日数」です。
警察庁は、一般の更新期間を誕生日の前後1か月と説明しています。神奈川県警も、更新期間は免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の前後1か月間と案内しています。
高齢者講習や認知機能検査は、更新手続きの前に済ませておく必要があります。つまり、予約日が更新期限の直前になると、体調不良、交通機関の乱れ、書類不足などで予定が崩れたときに余裕がなくなります。
家族が紙に書く項目:
免許証の有効期間満了日:
更新期間の開始日:
更新期間の最終日:
高齢者講習の予約候補日:
認知機能検査の予約候補日:
運転技能検査の有無:
更新手続きに行ける候補日:
このメモがあるだけで、問い合わせがしやすくなります。
期限が近い場合は、ネットだけで判断せず、通知書に書かれた問い合わせ先、運転免許センター、都道府県警察の案内へ確認します。
関連記事: 運転技能検査が必要になる違反歴
75歳以上は順番を確認する
75歳以上の場合、高齢者講習だけでなく認知機能検査も関係します。一定の違反歴がある場合は、運転技能検査も関係します。
警視庁は、75歳以上の免許更新について、認知機能検査、高齢者講習、運転技能検査の対象者はそれぞれ予約が必要であることを案内しています。また、運転技能検査と高齢者講習は同日でも別日でもよいが、両方とも受けなければならないと説明しています。
ここで家族が確認したいのは、「どれを受けるか」だけではありません。
- 同じ日に受けられるのか
- 別日に分ける必要があるのか
- 証明書はいつ交付されるのか
- 更新手続き当日に何を持っていくのか
- 予約順に指定がある地域なのか
警視庁の案内では、高齢者講習の日に持参するものとして、お知らせはがき、運転免許証、マイナ免許証、講習手数料、筆記用具などが示されています。更新手続き時には、高齢者講習終了証明書、認知機能検査結果通知書、該当者は運転技能検査受検結果証明書等が必要とされています。
本人には、こう伝えるとよいです。
予約が取れない理由を探す前に、受けるものがいくつあるか確認しよう。
高齢者講習だけなのか、認知機能検査や運転技能検査もあるのかで動き方が変わるみたい。
関連記事: 運転技能検査に不合格だった場合
どうしても予約が取れないときの問い合わせメモ
予約サイトを見ても空きがない。電話もつながりにくい。教習所にかけても先の日程ばかり。そうなると、本人も家族も疲れてきます。
そのときは、問い合わせ前にメモを作ります。
メモする項目:
- 本人の氏名
- 生年月日
- 免許証の有効期間
- 住所地
- 70歳から74歳か、75歳以上か
- 通知書やお知らせはがきの有無
- 高齢者講習だけか、認知機能検査も必要か
- 運転技能検査の対象か
- すでに問い合わせた会場
- 予約できなかった日程
- 更新期限までの日数
問い合わせで聞くこと:
高齢者講習の予約が取れていません。
免許証の有効期間は○年○月○日までです。
○歳で、通知書には○○と書かれています。
どの会場や方法を確認すればよいか、次に取る手順を教えてください。
神奈川県警は、高齢者講習等の問い合わせ先として高齢者講習等予約専用ダイヤルを案内しています。地域によって専用ダイヤル、運転免許センター、教習所、予約サイトなど窓口が異なります。必ず住所地の公式案内で確認してください。
関連記事: 安全運転相談ダイヤル
本人に言わない方がよい言葉
予約が取れないと、家族は焦ります。焦るほど、本人にきつい言葉をかけやすくなります。
避けたい言い方:
なんでもっと早く予約しなかったの?
だから前から言っていたでしょ。
もう返納した方がいいんじゃない?
この言い方をすると、本人は「責められた」と感じます。予約の話が、親子げんかや意地の張り合いになってしまいます。
使いやすい言い方:
予約が混んでいるのかもしれないね。
期限までにできる方法を一緒に探そう。
まず、通知書と免許証の期限を見せて。
本人が「もういい」と言い出したら、こう返します。
今日、結論を決めなくていいよ。
まずは予約できる場所と、問い合わせ先だけ確認しよう。
目的は、本人を追い込むことではなく、期限までに選択肢を残すことです。
家族会議で話す順番
高齢者講習の予約が取れないとき、家族会議の順番は大切です。
最初から「運転を続けるか」「返納するか」を話すと、本人は強く反発しやすくなります。
おすすめの順番:
- 免許証の有効期間
- 高齢者講習の対象か
- 75歳以上なら認知機能検査の有無
- 運転技能検査の対象か
- 予約できる会場と方法
- 更新手続きに行ける候補日
- 当日の送迎や付き添い
- 今後の運転をどう見守るか
最後に初めて、運転を控える場面を増やすか、サポートカー限定免許や返納を含めて考えるか、生活手段をどうするかを話します。
使いやすい切り出し方:
今日は返納を決める話ではなく、予約と期限の確認をしたい。
そのうえで、当日どう行くか、終わった後に更新手続きへ行けるかを整理しよう。
関連記事: 家族会議ガイド
無料体験ナビで確認できること・できないこと
当サイトの無料体験ナビは、高齢者講習や認知機能検査の制度上の流れを理解するための補助です。予約が取れないときに、家族が「いま何を確認しているのか」を整理する用途で使えます。
確認できること:
- 70歳以上、75歳以上で関係する手続きの違い
- 高齢者講習、認知機能検査、運転技能検査の位置づけ
- 家族が通知書や期限で見るポイント
- 本人と話す順番
確認できないこと:
- 実際の予約可否
- 個別の会場の空き状況
- 更新可否の判定
- 認知症の診断
- 運転可否や返納要否の決定
個別の予約は、本人の住所地を管轄する都道府県警察、運転免許センター、教習所、届いた通知書で確認してください。
よくある質問
Q. 高齢者講習の予約が取れないまま更新期限が近づいたらどうすればよいですか?
まず免許証の有効期間、通知書、予約できなかった会場、予約方法を整理します。そのうえで、住所地の都道府県警察、運転免許センター、予約専用ダイヤルなど公式案内の問い合わせ先へ確認してください。地域により会場や予約方法が異なります。
Q. 70歳以上は高齢者講習を受けないと更新できませんか?
警察庁は、更新期間が満了する日に70歳以上の方は高齢者講習を受けていないと更新できないと説明しています。実際の予約方法、会場、持ち物、手数料は地域で異なるため、通知書と都道府県警察の公式情報を確認してください。
Q. 75歳以上は高齢者講習だけ予約すればよいですか?
75歳以上では認知機能検査も関係します。一定の違反歴がある場合は運転技能検査が必要になる場合があります。通知書に何が書かれているか確認し、必要な検査・講習を分けて予約します。
Q. 家族が代わりに予約できますか?
地域や予約方法によって扱いが異なります。警視庁は、WEB予約について本人以外の方が代わって予約することも可能と案内しています。ただし、全国一律とは限らないため、住所地の都道府県警察の公式案内を確認してください。
Q. 近くの教習所がいっぱいなら、遠い会場を予約してよいですか?
空きがある会場を探すことは選択肢になります。ただし、本人が当日行ける距離か、送迎できるか、体調面に無理がないかを確認してください。勝手に遠方を予約すると、当日行けずにかえって困ることがあります。
Q. 予約が取れないことをきっかけに返納を話すべきですか?
最初から返納の話にすると、本人が身構えることがあります。まずは予約、期限、会場、持ち物、送迎を確認します。そのうえで、今後の運転に不安がある場合は、家族会議や安全運転相談窓口などを使って整理します。
まとめ
高齢者講習の予約が取れないとき、家族が最初に見るのは、免許証の有効期間、年齢区分、必要な検査・講習、予約できる会場です。
警察庁は、70歳以上の方は高齢者講習を受けていないと更新できないと説明しています。75歳以上では認知機能検査、一定の違反歴がある場合は運転技能検査も関係します。
予約が取れないと焦りますが、本人を責めても状況は進みません。WEB予約、電話予約、会場一覧、予約状況、問い合わせ先を分けて確認し、期限までにできることを一つずつ進めます。
参考情報
- 警察庁「日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方」
- 警察庁「高齢運転者対策の概要 PDF」
- 神奈川県警察「高齢運転者の免許更新制度について」
- 神奈川県警察「運転免許の更新手続について(運転免許センターで更新する場合)」
- 警視庁「認知機能検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新)」
執筆・編集情報
この記事は、警察庁および都道府県警察の公開情報を確認し、家族向けに整理したものです。予約方法、受付時間、会場、手数料は地域や時期により変わる可能性があります。最終確認日は2026年6月22日です。
本記事は一般的な情報整理を目的としており、個別の運転可否、医学的診断、法的判断を行うものではありません。

